実況!ビジネス力養成講義 ファイナンス
ファイナンスの意思決定の基準は、実はシンプルです。例えば、A、B、Cという選択肢が3つあって、何を基準に選び取ればよいでしょうか。その基準はシンプルです。 どの選択肢が一番、現金を増やせるであろうか 「資産は金が化けたもの」 全ての資産は、金が形を変えてぐるぐる回っている。左側の資産サイドを見れば、何でカネを運用しているかわかる わけです。繰り返しになりますが、BSは会社の方向性、経営者のありようが透けてみえる
「経営をよくするということは、バランスシートをよくすることだ 20」。これはどういう意味でしょうか。私は「経営は逆算である 21」という言葉とセットで次のように理解しています。 まずは、経営者は3年後あるいは5年後のBSをこのようにしたいというのを思い描く必要がある。そこから逆算して今、何にお金を投下すればいいのかを決めるのが経営者
戦略とはソートである です。ソートは、並べ替えのことです。Excelにもソート機能がありますね。言い方を変えると、優先順位付けです。 企業の競争優位が無形資産によって決まる時代です。企業がどのような無形資産を保有しているか
リスクとはばらつきです。何のばらつきなのか、きちんと説明しておりませんでした。リスクとは 想定される結果のばらつき です。東京スカイツリーの頂上から100人飛び降りたら、何が想定されるでしょうか。100人全員 確実に 死亡です。ばらつきはありません。つまり、ノーリスク(リスクフリーとも言います) です。2階から飛び降りたらどうでしょうか。ケガする方もいらっしゃるでしょうけど、ほとんどの方が無傷なのではないでしょうか。それでは、4階から飛び降りた場合はどうでしょう。ケガする方、打ちどころが悪く亡くなる方、無傷な方とばらつくのではないでしょ WACCを下げるにはどうしたらいいのでしょうか。 企業の業績がいい時も悪い時も、適切な情報を適切なタイミングで開示し続けるという誠実な姿勢で投資家とコミュニケーションをとること ばらつきが大きいものにお金を投資するときは、それ相応の高いリターンを要求すべき。これがハイリスク・ハイリターンの原則です。 私たちは、この原則に則った行動をしているのです。今後はそのことに自覚的になっていただきたい
ファイナンスの価値は、たった2つの要素で決まります。フリーキャッシュフロー、そして割引率です。 フリーキャッシュフローと割引率で価値が決まります。割引率とは要求収益率でもありました。 事業リスクが高いと本社から思われていることを意味します。割引率が高いと、NPVがプラスになりにくくなります。それだけ投資をしにくくなるのです。皆さんには、割引率が高く設定されている理由を本社ときっちり議論していただきたい。
このときの資金調達コスト、すなわちWACCは7%であると、当時の財務部はゴーンさんに推定値を報告しています。それに対してゴーンさんは、OECD加盟国で実施するプロジェクトは11%の割引率を使えと言いました。つまり11%の要求収益率ということです。ゴーンさんとしては、資金調達コスト7%に経営の意思として4%乗せて11%のハードルをわれわれに課した
伊藤忠商事の「事業EXIT選定基準」をご紹介しましょう。 【事業EXIT選定基準】 ① 3期累計赤字 ②リターンの投資時計画比下方乖離 ③付加価値{連結貢献*-(連結投資簿価×資本コスト)}の3期累計赤字 *連結